近年、サイバー攻撃者の能力の向上やツールの充実により、APT(Advanced Persistent Threats)攻撃と呼ばれる、ソフトウェアの脆弱性を悪用し、複数の既存攻撃を組合せ、ソーシャルエンジニアリングにより狙われた特定企業や個人に適合した方法・手段を適宜用いて侵入・潜伏し、数か月から数年にわたって執拗に継続するサイバー攻撃が発生しています。
標的型攻撃の中でも、執拗なものを指すことが多いようです。
ひと昔前のサイバー攻撃は、一部のハッカーによるイタズラ程度でしたが、最近では国家による支援を受けていると思われるハッカー集団が関与したと思われるAPT攻撃が観測されています。
アメリカの大手セキュリティ企業であるFireEyeは、APT攻撃を実行する集団をAPTグループと呼び、監視・分析しています。2018年9月時点で公開されているAPTグループには1〜37まで番号を付けて分類されています。特に関与が疑われている国は、北朝鮮・中国・イラン・ベトナム・ロシア等です。

いくつか具体的に紹介します。
APT37
関与が疑われる国家/組織:北朝鮮
標的の業種:主に韓国(加えて日本、ベトナム、中東諸国)の化学、エレクトロニクス、製造、航空宇宙、自動車、医療業界の企業
概要:ゼロデイ脆弱性やワイパー・マルウェアを利用。最初の侵入時や外部へのデータ送信に多様なマルウェアを使用しています。スパイ活動を目的にしたカスタム・マルウェアのほか、破壊型のマルウェアも使用しています。
APT33
関与が疑われる国家/組織:イラン
標的の業種:金融、官公庁、エネルギー、化学、通信など、多様な業種の多様な組織を標的に、主に中東地域で活動を展開
概要:長期的なサイバー・スパイ活動を展開していると見られるグループ。イランの国益につながる偵察行為を主な活動としており、遅くとも2014年から活動を続けていると考えられます。使用しているインフラストラクチャはイラン語がベースになっており、標的がイランの利害に関係する組織である点が特徴。。
APT32
関与が疑われる国家/組織:ベトナム
標的の業種:ベトナムの製造、消費者向け製品、コンサルティング、ホスピタリティ分野に投資する外国企業
概要:ベトナムの国益に沿う最近の活動より、同国内での事業、製造、または投資準備を行っている企業にとって、APT32が脅威となっている実態がうかがえます。
APT30
関与が疑われる国家/組織:中国
標的の業種:東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟各国
概要:長期にわたり継続的に活動しており、ソースコードを効果的に変更、適応させて、少なくとも2005年より同じツール、戦術、インフラストラクチャを使い続けていることでも知られています。
APT29
関与が疑われる国家/組織:ロシア政府
標的の業種:西欧諸国の政府、外交政策担当グループ、およびその類似組織
概要:適応性が高く、高度な訓練を受けている攻撃グループです。侵入先ネットワークでの活動を隠蔽し、頻繁ではないものの、正規のトラフィックに見せかけた通信を行います。
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