2015年02月12日

ファインマンのコンピュータ講義


P2137466.JPG

コンピュータ関係の本で何か英語の
いいのがないかなーと思ってたところ、
大学の頃お世話になった教科書「ファインマン物理学」
のファインマンが書いた本があったので、購入して読んでみた。

コンピュータの原理の基礎の部分から、量子コンピュータまで
いろんなロピックが載っているけど、
一番面白かったのは「計算と熱力学」のところ。
計算とエントロピーの関係や、マクスウェルの悪魔など
システムメンテナンスやソフト開発をする上では、
まったく実用的ではない話。

でも、仕事をする上で(コンピュータに限らず)
実用(実務)ばかりでは、その背景にある原理とか思想を
忘れてしまい、なぜそうなるか、
なんの制約があってそうなるのか、
などを考えなくなってしまう。
そういうとき、この本に限らず、
原理的なことが書いてあるのを読むと、
自分の足場を見るよいキッカケになり、仕事内容を振り返り、
全体像を確認することができる。
こういう本、手の届くところに置いておこうと思う。



目次
 1.コンピュータの概要 
 2.コンピュータ組織?(Organization)
 3.コンピュテーションの理論
 4.コーディングと情報理論
 5.逆コンピュテーションとコンピューティングの熱力学
 6.量子コンピュータ
 7.コンピュテーションの物理的側面


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月30日

思考する機械コンピュータ


Screen Shot 2014-09-14 at 14.45.03.png

パソコンというよりもコンピュータについて
その本質を知りたい人にはオススメの1冊。

よく周りの人には(同僚も含めて)
ワードやエクセルの使い方、プリンタの設定や
インターネットへのつなぎ方などを聞かれて、
知ってることは教えるし、知らないことはGoogleに聞いて
設定したりしてあげている。(そういう仕事なんで)
そうすると、みんな、自分はコンピュータのことがわからないから
もっと勉強しないと、っていう。
でも、エクセルでグラフを作る方法やWIFIへの接続なんて
本にもインターネットにもいくらでも載っている。

そんなことよりも、この本に書いてあるような、
今の電子工学をベースにしたコンピュータ以外にも適用できるような
「コンピュータの原理」を勉強した方がずっとタメになるし、
パソコン上で起こるいろいろな問題に怯えることも少なくなると思う。

コンピュータは、真偽(0 or 1)しか扱わないブール代数、
ブール代数を表現するロジックゲート、状態とその遷移を表す有限状態機械、
これらの組み合わせで作ることができる。この原理さえ実装できれば、
電気に頼らずに、棒と紐で作ったり、
水の流れでコンピュータを作ることも可能になる。
(もちろん、集積度や処理速度では電子には敵わないけど…)
原理さえ知っていれば、将来どのようなカタチの
コンピュータが使われるようになっても、
容易にキャッチアップすることができるようになる。

さらに、この原理を理解した上で、電気で動くコンピュータの仕組み
つまり、メモリやCPUがプログラムをどのように実行するかを知れば、
ワードだろうが、Facebookだろうが、ネットワーク設定だろうが、
なんだろうが、結局は全部「同じ」だと言うことがわかるだろう。
その上で個別の問題に取り組んだ方が、一貫して統一的にコンピュータについて
の理解が深まり、さらには、仕事やプライベートでもコンピュータを
今以上に有効に使えるようになれると思う。

コンピュータは交通・電気・ガス・水道などのような
インフラになりつつあるけど、それらよりも、
コンピュータはその機能をプログラムできるから、
他のインフラよりも、個人が与える(被る)影響が大きい。
だから、車を使うのに、熱力学の原理や内燃機関について知らなくても
いいのと同様に、コンピュータの原理やCPUについて知らなくてもよい
ということにはならない。



<目次>
 1.思考の基本部品
 2.部品としての論理回路
 3.プログラミング
 4.チューリングの万能機械
 5.アルゴリズムと発見的方法
 6.メモリ―情報と暗号
 7.並列コンピュータ
 8.学習できるコンピュータ
 9.工学的アプローチの次にくるもの

 


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(25) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月16日

ミクロネシア・レポート


Screen Shot 2014-09-14 at 14.56.33.png

北マリアナ諸島自治連邦区、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、
パラオ共和国の地域を総称してミクロネシアと呼ぶ。
(太平洋には、他に、メラネシアとポリネシアと呼ばれる地域がある)
ミクロネシアは第二次大戦後に、最後の国連信託統治領になった地域である。
このミクロネシアは、スペイン・ドイツなどの領になったあと、
1900年代、日本とアメリカの支配を受けて、
1994年にパラオが独立したことで、ようやく信託統治が終わった。

ミクロネシアでは、特に日本とアメリカ統治の影響が強く残っていて、
現在でも、良くも悪くも両者の面影が残っている。
(他人の土地で勝手に戦争して、勝手に支配したので、
どっちかっていうと悪い)
日本・アメリカ統治時代の後に、
パラオがアメリカの自由連合同盟を受け入れるか、
それとも、完全に核を持ち込ませない非核憲法を制定して、
独立するか、その辺りの政治的なやり取りが、
第4章で長く書かれていて、本書で最も面白い部分になっています。

本書の発行は昭和56年(1981年)とちょっと古いのですが、
逆にだからこそ、当時の状況がよくわかります。
それらを踏まえて、今のパラオやミクロネシアの状況を見ると、
その当時の日本やアメリカの政策によって、パラオの今が
全部とは言わないけど、作られているのだなと実感できます。
(今では、観光産業や国連での味方作りのために、
 関係する国がかなり増えてきているけど)

日本も海洋国家で、これらの地域と深いつながりがあったのに、
東京にいたときはほとんど知ることがなかったけど、
今こういうのをたくさん知ることができたのは
パラオに来たおかげですね。


<目次>
 T章 ミクロネシアの顔
 U章 日本の統治時代
 V章 アメリカの統治時代
 W章 非核憲法への道ーパラオ
 X章 太平洋新時代



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(26) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月14日

僕の見た「大日本帝国」


nihonteikoku.jpg

明治維新後から、大日本帝国の時代に拡大していった
日本の植民地が、現在どんな姿になっているかを追った本です。

今自分のいるパラオも含まれているので、ここの文章を見れば
他の場所で筆者がどのように感じて、どう書いているかも
なんとなく想像できて、書いていることを鵜呑みにしなくてもすみますね。

全体的に、ちょっと日本びいきな雰囲気はあったかな。
これらの国や地域の人が読むと、怒り出しそうなところもあったし。

ただ、敗戦国教育の戦争は悪い・日本も悪いという
認識だけでは先への教訓にならないし、そういう意味で、
これらの元植民地に当時の日本の面影が残っている様子は
知らなかった事実をいろいろ伝えてくれています。
植民地政策で多くの国や地域に、良い影響も悪い影響も与えたのは事実なので
それらを受け入れた上で、援助や外交の方針も考えていかないといけないですね。



目次
 
 プロローグ ジャパニーズ・エンパイア
 第1章 ロシアの鳥居 ー サハリン篇 
 第2章 山の中の敬礼 ー 台湾篇
 第3章 交差する感情 ー 韓国篇
 第4章 消せなかった橋 ー 北朝鮮篇
 第5章 見せしめの記念碑 ー 中国東北部篇 
 第6章 十字架と鳥居 ー ミクロネシア篇



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月26日

HOLY BIBLE


写真 3.JPG
世界一売れている本のひとつ、ということで
英語の勉強もかねてちょっとずつ読んでます。
ちょうどキリスト教の国にいるし、周りには、
アメリカやイギリス生活をしていた人もいて、
文化的に理解しておいてそんはないと思って。

読んでみると、聖書ってけっこう面白いんですよ。
神まじか〜!って突っ込みを入れたくなるところも結構あって。
神わがままな場面や、子孫繁栄のためにはなんでもしちゃうところとか。

あ、キリスト教を批判しているわけではありませんので…
物語としてなかなか面白いってことです。

この人類ベストセラーの本を一度は読んでみてください〜


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月09日

The ゴール


P4291047.JPG

会社員の時になんとなくAmazonで買ってずっと放置していた
The Goal & The Goal2 を読みました。

The Goal では、工場のラインにおける生産管理を
全体最適化するための方法が小説で描かれています。
ライン上で足を引っ張っているボトルネットの効率を上げて、
さらに他の工程をこのボトルネットに同期させる必要がある。
これを実施しない限り、いくら部分最適化を進めても
全体としての利益は得られない。かなり勉強になります。

※ボトルネットは化学でいうところの律速段階と同じようなもの。
(全体の反応速度を決める最も遅い反応)

The Goal2 では、生産管理の手法をさらに進めて、
いろいろな問題解決を行なうための思考プロセスに発展させている。
この方法は、ある問題に取り組むときに、絶対に避けて通れない
間違った仮定や思い込みを体系的に排除できる方法論になっている。
基本的には組織の改善に使われていることも多いけど、
もっと小さい単位(1対1の人間関係)などにも適用する例が
たくさん載っていて身近なところでも役立ちそう。
あ、こっちも小説ね。

ネット上にも情報がたくさんあるので、
自主的にいろいろ勉強できそうです。
 右矢印1 TOC=Theory of Constraint(制約条件の理論)で検索



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月06日

感性の限界 ―不合理性・不自由性・不条理性― (高橋昌一郎)


IMG_2857_R.JPG

理性の限界知性の限界に続く、「感性」の限界。
3冊とも、大学の初年度でまとめて読んで、
興味のある内容を残りの課程で関連する講義を取っていけばよいような
まとめサイト的な内容になってます。
もちろん、大人になってから読んでも、
いつか聞いたことのあるようなことの復習になったり
新しい発見もたくさんあったりします。
3冊ともオススメ♪


<目次>
 序章  シンポジウム「感性の限界」開幕―結婚披露宴会場より
 第一章 行為の限界
  1.愛とは何か
  2.カーネマンの行動経済学
  3.二重過程理論と不合理性
  4.人間行為の限界と可能性  
 第二章 意思の限界
  1.自由とは何か
  2.ドーキンスの生存機械論
  3.進化と不自由性
  4.人間意思と限界の可能性
 第三章 存在の限界
  1.死とは何か
  2.カミュの形而上学的反抗
  3.意識と不条理性
  4.人間存在の限界と可能性



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(19) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月30日

銃・鉄・病原菌


13000年にわたる人類史の謎
Screen Shot 2014-01-29 at 13.55.24.png

ジャレド・ダイヤモンドの「文明の崩壊」を読んで
興味を持ったのでその本より前に出版された「銃・鉄・病原菌」
を読んでみました。予想通り、最高に面白かったです!
子供の頃から大学の頃に持っていた、人類史のイメージが
きっと大きく書き換えられます。
古代文明が現れるまでの人類史ってなんだかぼんやりしていたので…。

これは次の質問に答えるための仮説集です。

あるパプア人の質問:
 白人はたくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、
 ニューギニア人には自分たちのものと言えるものがほとんどない。
 それはなぜか?

歴史の中で、ある地域の人は他よりも勝った道具や制度を持っている。
ある地域ではまったくそのような有利なモノは存在していない。
その持たざる人々は、文明の発達度の違いにより滅ぼされたり、
支配されたりしている。なぜこのような格差・不均衡が生まれたのか?
(この不均衡は現在まで引き継がれている)

結論:
 それぞれの大陸で生まれた人が異なっていたわけではなく
 (つまり人種的な優劣ではなく)
 与えられた大陸の環境が異なっていたからである。
 (ただし環境決定論的にという意味ではない)

【メモ】
・食料生産
   栽培を始めた地域、家畜を始めた地域
   家畜や栽培可能な動植物の有無
・食料生産を始めたことによる狩猟民族から農耕民族への移行
・定住生活による人口の集中
・余剰食料による官僚機構、専門家の発達
・小規模血縁集団右矢印1部族集団右矢印1首長社会右矢印1国家 
・大陸による技術・文化の伝播速度
   大陸の大きさ、南北・東西のつながり方の違い(風土気候の違い)



パラオは、1994年に国家として独立はしたけど、
大陸はなく、食料生産もしておらず(定住はしている)、
国家ではあるけど、血縁関係が重要であり、議員の他にも
大酋長という制度が残っている、非常に微妙な国だなあ
と改めて思った。国際社会の一員として国家とし存続する必要があるが、
そもそもこんな小さい国だと「国家」としてあるべき人口や文化が
まったくない。




<目次>
上巻
 プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
 第1部 勝者と敗者をめぐる謎
  第1章  1万3000年前のスタートライン
  第2章  平和の民と戦う民の別れ道
  第3章  スペイン人とインカ帝国の激突
 第2部 食料生産にまつわる謎
  第4章  食料生産と征服戦争
  第5章  持てるものと持たざるものの歴史
  第6章  農耕を始めた人と始めなかった人
  第7章  毒のないアーモンドのつくり方
  第8章  リンゴのせいか、インディアンのせいか
  第9章  なぜシマウマは家畜にならなかったのか
  第10章 大地の広がる方向と住民の運命
 第3部 銃・病原菌・鉄の謎
  第11章 家畜がくれた死の贈り物 

下巻
 第3部 銃・病原菌・鉄の謎
  第12章 文字を作った人と借りた人
  第13章 発明は必要の母である
  第14章 平等な社会から集権的な社会へ
 第4部 世界に横たわる謎
  第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
  第16章 中国はいかにして中国になったのか
  第17章 太平洋に広がっていって人びと
  第18章 旧世界と新世界の遭遇
  第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったのか
 エビローグ 科学としての人類史




posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(38) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月09日

この世で一番おもしろいミクロ・マクロ経済学




そんなに面白くはなかった。


IMG_3586_R.JPG

<目次>
 Part1:個人の最適化戦略
  Chapter1 はじめに
  Chapter2 ディシジョンツリー
  Chapter3 時間
  Chapter4 リスク
  Chapter5 個から多へ
 Part2:相互関係における最適化戦略
  Chapter6 ケーキを切り分ける
  Chapter7 パレート効率性
  Chapter8 同時手番ゲーム
  Chapter9 オークション
  Chapter10 多からもっと多へ
 Part3:市場における最適化戦略
  Chapter11 需要と供給
  Chapter12 税金
  Chapter13 限界効用
  Chapter14 弾性力
  Chapter15 経済学で世界を見渡すと
  Chapter16 まとめ


IMG_3587_R.JPG

<目次>
 Part1:単一のマクロ経済学
  Chapter1 はじめに
  Chapter2 失業
  Chapter3 お金/貨幣
  Chapter4 インフレーション
  Chapter5 国内総生産(GDP)
  Chapter6 政府の役割
 Part2:国際貿易におけるマクロ経済学
  Chapter7 貿易と技術
  Chapter8 古典派の経済観
  Chapter9 貿易にまつわる面倒な話
  Chapter10 開発援助(ODA)
  Chapter11 外国為替
 Part3:グローバルなマクロ経済学
  Chapter12 景気の波の終わり
  Chapter13 貧困の終わり
  Chapter14 惑星地球の終わり
  Chapter15 若さの終わり
  Chapter16 終わり


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月05日

グアムの表の姿と裏の姿


グアムと日本人 − 戦争を埋め立てた楽園 −  (山口誠) 
Screen Shot 2014-01-04 at 13.51.05.png

JICA連絡室にあった本です。
パラオという土地柄、オセアニア地域や
太平洋戦争に関する本が多くあり勉強になりますね。

本書では、グアムがスペイン王国に「発見」されてから
米西戦争でアメリカ領土となり、その後日本が植民地化して
「大宮島」となり、太平洋戦争で再びアメリカ領となった
歴史を踏まえて、現在の一般的な日本人から見た「南の楽園」
としてのグアムとのあり方の違いを、特にメディアの扱いという
視点から論じています。

観光地としてのパラオでもそうだけど、戦争時代の歴史と、
今の日本人だらけの観光の雰囲気がなんとも合わないのです。
(実際にパラオ人に接すると、観光以外の場所では
 ちゃんと歴史を踏まえて日本と日本人を見てくれていますが)

グアムで見たヨッコイショウイチ(横井庄一)は
大変な生活を続けて、やっと日本に帰れたという歴史しか見なかったけど、
この本ではその人がその後、メディアでどのように語られて
またそれがどのように観光産業に繋がっていたかが書かれています。

最初は、同じアメリカに近い国(グアムはアメリカ領だけど)
としてグアムは発展してて、なんでパラオは発展しないんだろう?
国家として独立せずにアメリカの一部の方がよかったのでは
とも思った時もあったけど、グアムのあまりの日本となったタモンの
姿を見たら、まだパラオの方がよいのかもとも思ったり。



<目次>
 第1章 「大宮島」の時代
 第2章 基地の島と観光の道
 第3章 楽園の建設、記憶の埋め立て
 第4章 値札と忘却
 第5章 見えない島


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月16日

釈迦物語


P9261104.JPG

  祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
  沙羅双樹の花の色 、盛者必衰の理をあらわす
  おごれる人も久しからず 、ただ春の世の夢のごとし
  たけき者も遂には滅びぬ 、偏に風の前の塵に同じ



仏教の開祖、釈迦(ゴータマ・仏陀)その人の人生が
どのようなものであったかを仏典に書かれているエピソードをもとに
小説的に再現している本です。

「天上天下唯我独尊」と言いながら生まれてきた
なまいきな子供が、どのように悟りを開き、そして
弟子を増やしながら説法を続けて、入滅するまでを
駆け足でみることができます。

輪廻転生、四苦八苦、縁起、涅槃、空、法輪(ダルマ・チャクラ)、
三宝(仏法僧)、四諦(苦諦、集諦、滅諦、道諦)、五戒、因果応報
などの仏教の基本も、仏陀の振る舞いなどから
自然に理解できるようになっています。


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(30) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月10日

実践 反復型ソフトウェア開発


Screen Shot 2013-12-09 at 14.16.15.png

この本、かなりいいです!

ソフトウェアを開発するときの、プログラミング技術以外で
クリティカルになるチーム構成、ビルド、構成管理、
バグトラッキング、テスト自動化などについて
かなり詳細にわかりやすく書かれています。

ソフト開発を始めたばかりの人が読むよりは、
数年開発を続けてある程度経験を積んでから読むと
自分の経験と照らし合わせながら、復習と新たな視点獲得を
同時にできるような本だと思います。

本書は基本的に以下の事実を前提としています。
 ・ソフトウェアは「壊れやすい」
 ・ビルド中心の生活(ビルドとは、実行可能なプログラム)
 ・ソフトウェアは進化する、世代も交代する
 ・保守性がなく持続できない場合は、老化右矢印1絶滅する

ソフトウェアのこのような特性は、実際に開発をしてみないと
実感が持てないかもしれませんが…
ソフトウェアは一般的に、黒い画面にわけのわからない
文字列を打ち込みプログラミングするものだと思われていますが、
(たしかにそのような工程もある)
それよりも本書にあるように、いかに計画的に
ソフトウェアを健全に進化させるかということが重要なのです。




目次
 第1章 ソフトウェアを育てる準備
 第2章 チームの役割と責務
 第3章 タイムボックスとビルドの運用
 第4章 構成管理とブランチの戦略
 第5章 再現可能なビルドの実現
 第6章 バグの追跡と解決
 第7章 テストケースの自動化
 第8章 開発プロセスの構築


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(40) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月07日

時間のあるうちに外国語を勉強


パラオでは残業がないので、平日はかなり時間があります。
(朝7:30始業の16:30終業。)
なので、このチャンスに大学の頃少しだけかじっていた
外国語を勉強しています。(もちろん英語も!)
やれるうちにやっておかないとね。
いつかフランスに行くことを夢見て。
いつか中国で八極拳を稽古することを夢見て。

…パラオ語もちょっとやってたけど、
ここでは(ほとんどの人が英語しゃべれるので)必要ないので
最近はめっきりやっていません。入門書的なのもないしね…



フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!?
P9261101.JPG

フランス語シャドーイング入門
P9261102.JPG

中国語シャドーイング入門
P9261103.JPG


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(38) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月14日

極意と人間 (高岡英夫)


IMG_3631_R.JPG

「ゆる体操」や「身体意識」を実践されている高岡先生の本です。
(身体意識の別名はディレクトシステム)
出版はだいぶ古いので…読んだのもだいぶ前。
(たしか…大学生の頃だから、10年くらい前ですね。)
この本では主に、有名な武術家の身体意識の図を見ながら、
その意識がもつ機能を説明しています。
身体意識とは、たとえば、正中線や丹田のような通常では
意識できないけど、武道やスポーツなどで正しい稽古をつけることで
無意識に意識される、形をもった感覚のことです。

過去のすでに亡くなった人の身体意識を、
図におこせる仕組みは謎ですが(怪しいですが)
この身体意識は説明を見るかぎり、かなり参考になります。
正中線や丹田は合気道の稽古でもよく出て来る言葉だし。

正中線(センター)や丹田(上・中・下)の他にも、
ジンブレイド、ベスト、パーム、裏転子、スライサー、
リバース、レーザーなどがあるようです。
機能を見る限りはたしかに重要、
というか必要だということには同意できるけど、
本を読んだり想像で稽古するだけでは
理解・体得はできなさそうです。
(でも講習料、何十万もするんだよね…)

それでも、武道やスポーツをされている方は
一読の価値がきっとあります。


<目次>
  序章  ディレクトリ・システムの時代が始まる
  第一章 センター・体軸・正中線そして天地の軸
  第二章 極意体現への取り組み 
  第三章 自由と拘束(フリーとスティフ)
  特別篇 坂本龍一の訪問



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

ソフィーの世界


Screen Shot 2013-10-30 at 13.48.30.png

この本はたしか、1997年頃(高校生)に読んだ気がする。
ちょっと前後関係の記憶が定かではないけど、
倫理(哲学)の講義とリンクして非常に勉強になった、
というか面白かったのを覚えている。
あの頃の自分にとっては、出てくる話もそうだし
この物語の構成自体がとても新鮮だった。
(大学になってから読み直した時には、その新鮮さはなくなっていたが)

いまではもうほとんどどんな話だったか覚えていないけど、
ギリシャの時代から近代までに、いろんな考え方が生まれては消えて
あるいは変更されていくプロセスが、個々の思想より面白かったように思う。

またいつか読み直してみようかね。


<目次>
 エデンの園  
 シルクハット
 神話
 自然哲学者たち
 デモクリトス
 運命
 ソクラテス
 アテナイ
 プラトン
 少佐の小屋
 アリストテレス
 ヘレニズム
 絵はがき
 二つの文化圏
 中世
 ルネッサンス
 バロック
 デカルト
 スピノザ
 ロック 
 ヒューム
 バークリ
 ビャルクリ
 啓蒙主義
 カント
 ロマン主義
 ヘーゲル
 キルケゴール
 マルクス
 ダーウィン
 フロイト
 わたしたちの時代
 ガーデンパーティ
 対位法
 ビッグバン


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月26日

数学で生命の謎を解く(Mathematics of Life)


IMG_4578_R.JPG

大学時代に、生物学を学んでるいる人と話すと
数学がわからない、または好きではない、という人が多かった。
(…物理学はもっと苦手&嫌い、って人がほとんど…)
でも実際には、生物学はそのメカニズムやパターンを調べる時に、
統計学や数学モデルを使う場面があり、
必然的に数学の知識が必要になることが多いと思う。
では、実際にどんな分野でどのように数学が使われるのか?
この本ではそのあたりのことを(数式なしで)詳しく説明しています。

難しい数学も難しい生物学も出てきませんが(たぶん高校レベルの知識)
かなり面白いです。ひと昔前の、遺伝子の考え方
(利己的だったり完全な設計図だったり)がなぜ間違っていて
今はどう考えられているのかなど、とても勉強になります。

古い意味での生物学は植物・動物などのようにそれらの特徴から「分類」する
ことがメインだったけど、その後に生化学がでてきてからは、
遺伝子のオン・オフが行なわれ、DNA分子と
プロテインの化学反応ネットワークが生命活動の中心になっている。
それらのダイナミクスを理解するには、ネットワーク理論や
力学系などの数学的な考え方も必要になってきている。

DNAは設計書だけど、設計書があればソフトウェアを作れるわけではなくて
よいチームが、デバッグやリファクタリングを繰り返して、
品質の高いソフトウェアを作るように、DNA分子を中心として
複雑な化学反応系が全体として代謝を行い、
自分のコピーを作り、環境に合わせて、
自信の系統を進化させていくプロセスをもって
初めて「生命」とみなせる。


他に興味深かったところを。

■数学の論理の適用
数学は完全に抽象的な「数」「図形」「関係」などを
基本的な公理から定理を導いていく論理をもっとも重視することから
生物学においては、個別の化学反応の数学も記述できるけど
それ以上に「生命」としてのあり方を論理的に考えるための
必要な枠組みのようなものを提供している。


■自己組織化
太陽系自身の自己組織化からはじまり
生化学の自己組織化、そして生態系としての自己組織化まで階層的になっている。
中心となるリーダーはなく、すべてローカルな情報に基づく単純なルール
にしたがって個別のもの(分子・個体)が反応・適応を繰り返すことで
生物が生まれ進化していく。


■宇宙に存在する生物
後半の「宇宙にはどれだけの生物がいるのか」について
(=生命現象が見られる惑星はどれだけあるのか?)
この本では肯定的な結論になっています。
(科学的な証拠もだけど、それよりも、そう考えた方が面白い)
地球の生物は、炭素を中心にした有機物からできていて
(多くは)酸素のエネルギーを利用している。
組成の違う惑星では、ケイ素(周期表で炭素の下)を中心にした分子が
硫黄(周期表で酸素の下)を利用してエネルギーを取り出しているかもしれない。
そのような研究もあるみたいで、もしかしたら同じ太陽系内でも
そういった生物が見つかる可能性も0ではない。
地球以外に生物がいることはほぼ間違いないし、
今は地球型ではない生物が何でできていて、何をエネルギー源にしているか
ということに興味が移ってきている。
生物の具体例が増えていくと、惑星の環境に依存しない
普遍的な生物の論理的な定義が得られるかもしれないですね。



<目次>
 第一章  数学と生物学
 第二章  小さい小さい生物
 第三章  生物の長いリスト
 第四章  花のなかに見つかるフィボナッチ
 第五章  種の起源
 第六章  修道院の庭園で
 第七章  生命の分子
 第八章  生命の書
 第九章  分類学者よ、本は使うな
 第十章  第四の次元からやってきたウイルス
 第十一章 隠された配線
 第十二章 結び目と折り目
 第十三章 斑点と縞模様
 第十四章 トカゲのゲーム
 第十五章 ネットワークを作るチャンス
 第十六章 プランクトンのパラドックス
 第十七章 生命とは何か?
 第十八章 外に誰かいるのか?
 第十九章 第六の革命


posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

トロピカル太平洋の無脊椎動物


Tropical Pacific Invertebrates
1368091934_IMG_7700.JPG

1368091949_IMG_7701.JPG

太平洋の海洋生物を詳しく紹介している本。
(隊員連絡所で見つけた)

パラオの豊富な海洋生物は、サンゴ礁が作る
バリアリーフと、その内海のラグーンがあって
初めて存在できるのであって、これらをよく知ることは
太平洋だけではなく、海洋生物や海流などを
理解する小さな一歩になるはずです。
(実物はダイビングで見れる)


<目次>
 Introduction
 Sponges
 Cnidarians
 Ctenophores
 Worms
 Molluscs
 Crustaceans
 Lophophorate
 Echinoderms
 Ascidians


   目次の英語が専門用語すぎてよくわからないけど…

posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(31) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月05日

時間ループ物語論


100年くらい前の小説から最近のアニメまで、
「時間がループする」話だけを集めて、それが現代において
どのような比喩として捉えられているかを論じている本です。

1371455634_IMG_8409.JPG

タイトルだけで衝動買いしちゃいました。
「時間ループ」と言えば、自分の中では『涼宮ハルヒの憂鬱』の
「エンドレスエイト」や『魔法少女まどか☆マギカ』などが記憶に新しい。
だけど、この本ではそれよりももっともっと
たくさんの時間ループ物語が登場します。
こんなにもあるのかってくらい。
そのほとんどは読んだことがないけど、解説を読んでると
読みたくなってくるものばかり。
(いくつかはネタバレされてるけど…)


時間がループする中で、記憶が連読し、また身体的な能力も
その中で少しずつ成長して、最終的には目的を達してループから脱出する
という物語の型があることが、本書で紹介されている。
これは現実的にも意味のある比喩だと思う。
生活なんてのは毎日が刺激的っていうわけではなく、
仕事でもプライベートでも平凡な日々が続くことが多い。
こんな時、ぼんやりしていると、
まるで同じ時間が繰り返されているように感じすることがある。
(ある意味平和なので)そんな時間の幸せ感を楽しんでもいいんだけど
自分のスキルを延ばすための勉強を続けたり、
ちょっと違う(新しい)ことを始めてみたりすると、
別な新しいことが起こったり、それまでは気づかなかったことを
見つけることができるかもしれない。
(時間ループ物語の中でも同じことが行なわれている)

人にはデジャブっていう感覚機能もあり、
現実の中でも時間ループ感を得ることができるので
この物語ループってのは、読んで見て楽しむ以外にも
生活の中である程度、重要な意味がありそうですね。



時間ループするといっても、どれも作者のいる架空のお話。
特にアニメやマンガでは連載の関係上、登場人物は歳を(ほとんど)とらない。
なので、これらの物語自体が、その中のストーリーは進んでいても、
全体の枠としては時間がループしているとみなすことができる。

また、読む人見る人にとっては、どんな小説もアニメも、
最初からもう一回読めば(見れば)
時間ループ物語になってしまうわけだし。
その枠組みの中で、成長する可能性があるのは読み手だけで、
時間ループ物語内の登場人物の成長と
同じことを実現できるのかもしれないですね。



思い出の時間ループ(本書に出てこないものもある)
 ・7ミニッツ(量子論の多世界解釈)
 ・まどマギ。暁美ほむらの執念には恐れ入った。
 ・ハルヒ。たしかTVでエンドレスエイトを見ていて、
  今週もかよっていうツッコミを1ヶ月くらいやってたな。
 ・ひぐらしのなく頃に左矢印1これはいろんな意味で衝撃的)
 ・ドラクエ7の時計職人の街
 ・ドラクエの「時の砂」
 ・ジョジョの奇妙な冒険
  (キラークイーンのバイツァダスト、ストーンオーシャンの最後)
 ・クロノトリガーの強くてニューゲーム(マルチエンディングのため)
 ・AKBの握手会ループ
   http://akb48matome.com/archives/51890472.html

posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(38) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月23日

文明の崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの


1367104480_IMG_7527.JPG

古代から現代まで、様々な文明が滅びていく
(滅びつつある)過程を見ながら、それらに共通する原因を見つけ、
今のグローバルな世界の文明がこの先も維持されていくには
どのように社会や経済を運営していけばよいか、という
途方もない大きいスケールの話が展開されています。


いろんな文明の中でも、
今太平洋の島国にいる身としては、イースター島
とピトケアン諸島の話が親近感を持って読めました。
親近感といっても、両島とパラオでは交通や
物流の面で比較にはならないけど。
(どちらも「大陸から」遠すぎる…)
どんなに孤島であっても外部との交流は必要であり、
でも、その交流の程度や内部的事情によっては
結局は孤独になってく、そんな歴史が数十ページで読めます。
なんだか悲しいですよ、この話は。

ヴァイキングとノルウェーの大航海時代まえの大航海の話も、
日本の歴史とはまったく関係なく、
こんなにも壮大な出来事としてあったのかという感じ。


「事件」として一番衝撃的だったのは、
アフリカ・ルワンダでの住民同士の殺戮事件。
民族間の殺戮のように見えて、実はそれとは別なところに
あった感情がこのものすごい事件を引き起こしたのか、と恐怖した。
でもきっとこの時の住民達の感情は決して人ごとではなく
状況によっては自分たちも陥る可能性があると感じた。
この部分はぜひ読んでほしい。


日本の話も結構でていました。
過去では江戸幕府の話。Good job.


現在では、日本は世界でも有数の森林を保全している国、ということ。
一方で、輸入によって別の先進国や第三国の森林を破壊している国。
紙や木材製品を輸入することによって、国内の森林は保たれても、
意識しないうちに、輸入元(正確には製造元ではなく原材料元)
の森林を破壊していることになる。(そりゃそうだよね)


環境との調和。人と環境が対決するのではなく、
人も環境(自然)の一部であると見なし(というか当然)
人間社会の文明(経済・文化)を持続させるためにも
環境を保護していく必要があるという考え。
何でもかんでも環境を守るんでななくて、
結果として全体が持続される方向に。
(破壊的な環境保護は環境破壊よりどうかと思う。
 人間の存続のために環境を保護するのであって、
 動物や植物のために経済活動を犠牲にはできない!)

いまの、企業が支配する社会では、
短期的な利益が重要になり、
グローバル社会ももっと大きくなれば
(こうなることには反対ではない)
より世界的に(特に発展の遅れてる途上国は)
環境破壊や文化破壊が進んでいく。
そんな中で、企業や国家の利益をある程度保ちつつ
(遠くなく近い)将来に社会が壊滅的な決断を下さなくて済むような
自然環境や社会環境を維持していくには、
大きい視点での政策や条約だけではなく、
もうすこし小さい視点でいろいろ行動して
いかなきゃいけないんだと思う。
(ただ、そこに大衆の偏った民主主義が入り込むとやばいけど)

最後にもう一度、オススメです。この本。
深く考えずに、いろんな知らない歴史を見れるという意味でだけでも。

DSCF9913.jpg


<目次>
上巻
 プロローグ ふたつの農場の物語
 第1部 現代のモンタナ
  第1章 モンタナの大空の下
 第2部 過去の社会
  第2章 イースターに黄昏が訪れるとき
  第3章 最後に生き残った人々
  第4章 古の人々
  第5章 マヤの崩壊
  第6章 ヴァイキンの序曲と遁走曲
  第7章 ノルウェー領グリーンランドの開花
  第8章 ノルウェー領グリーンランドの終焉
下巻
  第9章 存続への二本の道筋
 第3部 現代の社会
  第10章 アフリカの人口危機
  第11章 ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史
  第12章 揺れ動く巨人、中国
  第13章 搾取されるオーストラリア
 第4部 将来に向けて
  第14章 社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?
  第15章 大企業と環境 ー異なる条件、異なる結末
  第16章 世界はひとつの干拓地
 追記 アンコールの興亡






posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(32) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月12日

情報社会における統計学の再発見


統計学が最強の学問である (西内 啓)
写真 1.JPG

IT技術の発展、特にセンシング性能やデータ取得機会の向上、
データストレージの巨大化にともなって「ビッグデータ」
と呼ばれるなんだかすごそうな情報の塊がありそうだという世の中。
「ビッグ」なデータというトレンドだけを追いかけるのではなく、
実際にそのデータを解析することのできる統計学こそが
最強であり、ビッグデータの言葉の裏には
その統計学を見直すべき時代、という意味が
込められているのではないか、という感想を持った本でした。
(統計学という言葉がもう古めかしい感じだけど…)

1375964899_IMG_8679.JPG

大学時代、教科書の後半にあったのでほとんどやらなかった
t検定やχ(カイ)2乗分布の話がたくさん出てきます。
標準誤差、ランダム化比較実験、χ2乗検定、P値、回帰分析、
ロジスティック分析、重回帰分析などの用語を理解していくことで、
ネット上にあるデータを分析する、または文献を読めるようになります。
(数学的な証明はありません)
根底にはランダム化を用いて因果関係を確率的に表現するという考えがある。

1375964895_IMG_8678.JPG

量子力学や統計力学の話を出さなくても、
自然世界は確率的であることは明らかである。
(法則は決定論的だけど初期条件や相互作用の多さのため)
当然、実験や観測の結果も確率的な効果でゆらぎがある。
しかし、限られた範囲内のデータであっても、
ある一連の計算をすることで、部分集合から得られる結果が
全体の真の振る舞いや性質を与えてくれるのが、統計学である。
これは、サイエンスのもっとも基盤にある姿勢そのものであると思う。

1375964883_IMG_8677.JPG

IT技術のおかけで必要なデータはそろいつつあるけど、
「ビッグ」でなくても、データの多様性こそ重要なんじゃないだろうか。
テラバイトやペタバイトのような超巨大な「量」ではなく、
社会性を強く反映していたり、ライフログのようなこれまでは
捨てられていた超個人的な日常の記録のように、
多くの「質」のよいデータが集まっていることこそ本当に驚くべきこと。
(データのランダム化さえちゃんとされていれば一定量のデータで十分)
(ただし、実際にネット上の量的にビッグなデータを処理するための技術や
 その結果得られる情報も重要であるが、この本の趣旨はそこにはない)

1375964873_IMG_8676.JPG

健康や平和のためによかれと思ってやっていても、
統計学的なエビデンスを集めてみれば、局所的には効果があっても、
全体や将来的には意味がない、あるいは逆の効果をもたらす可能性もある。
ビジネスでも国際協力でも、方針や政策を考える上で、
データの統計分析は(考慮するべきことの一つでも)絶対にした方がよい。
(ボランティアや国際協力の分野では、
 「人のため環境のため」というような言葉に隠れた無駄や
 自己満足的なことがあるような気がする…)



<目次>
 第1章 なぜ統計学が最強の学問なのか?
 第2章 サンプリングが情報コストを激減させる
 第3章 誤差と因果関係が統計学のキモである
 第4章 「ランダム化」という最強の武器
 第5章 ランダム化ができなかったらどうするか?
 第6章 統計家たちの仁義なき戦い
  終章 巨人の肩に立つ方法



posted by 色人 at 00:48| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする